不動産を売却する場合には、手続きをスムーズに行う上で手元資金を要すると考えがちです。当然に任意売却は金融機関に住宅ローンを支払っている方が、金融機関の合意を受けて不動産を売却することですが、それを行う上では様々な費用がかかります。
ただ実際にはかかった経費を売却代金から差し引く形になることが多いので、売り主の直接的な負担がないのが実態になります。つまり任意売却をしたいのに手元資金がまったく存在しないという理由で諦める必要はなく、その手続きを行うことができます。
もっとも任意売却では様々な経費を差し引くことになりますが、その内容はマンションなら滞納した管理費・修繕積立金です。他にも滞納した固定資産税・住民税、抵当権抹消・その解除のための費用、不動産会社への仲介手数料となります。
その後に住宅ローンなどの借金の返済が行われることになり、大抵の金融機関は借金の返済がそれらを差し引いて返済を受けることが可能であれば合意してくれることが多いです。
金融機関の抵当権が設定された不動産は、住宅ローンが滞った場合に通常は担保権が実行され競売に掛けられます。不動産は売買時よりも価値が下がる可能性が高く、競売によって残債務が完済できる保証はありません。そこで有効な手段が任意売却です。
任意売却は金融機関の承諾をえて抵当権を抹消し、その上で不動産会社などに売却を依頼します。任意売却の最も良い点は、担保権の実行に比べて高く売却できる可能性があることです。債権者である金融機関にとっては弁済に充てられる金額が増えますし、債務者にとっても生活再建の計画が立てやすくなります。
ただし、不動産会社との諸費用は予算に入れる必要があります。いくら任意売却によって高値売買ができたとしても、諸費用が高ければメリットを感じられません。したがって不動産会社選びは慎重に行う必要があるでしょう。
一般的には債務者独断で選択できるものではなく、あくまで金融機関等債権者の納得が不可欠ですから、有効な契約ができるまで待つことになります。